2022年晩秋に初めてのホームページを作成された浜松市のみかん農家である高林様にお話を伺いました。
ホームページにはECサイトとしての機能が備わっていますが、商品のPR部分がほとんどなく、高林様が農業にかける想いや様々な方への感謝などのウェイトが非常に高いのが特徴的です。
消費者の方々への直接販売をはじめるきっかけややりたかったこと、そして今後のことなどを明るく語ってくださいました。
ウチのみかんを多くの人に届けたい、食べてもらいたい、という想いが一番ですね。一部のお得意様が遠くの親戚知人へのお歳暮やお年賀として毎年送ってくださっているケースもありますが、今のやり方ではほとんど地元止まりなんです。
やっぱり今の時代は販売店を開拓していくよりもインターネットで普及していく方が早いし、簡単だし。中間マージンがかからない分、お客様へお安く提供もできるじゃないですか。でも、それだけじゃないんですよね……。
色々こだわりたいから、ちゃんと要望を聞いてくれる制作会社が良いと思っていました。でもどこに頼んだら良いのか分からなかったので、複合機等のハード関係やネットワーク、伝票発行などのシステム関係をお願いしてる方に相談しました。
結構変わったこととか無茶言っちゃうかも知れないけど、それでも何とかしようと考えてくれるトコ。急な変更があるかも知れないし、普通は絶対そんなことしないよ、ってことだったとしても愛想を尽かさずに付き合ってくれるトコ。あとは口で言うよりも会って話をした方が絶対伝わるから、来てもらえる距離にある会社で、逆にこちらからも気軽に会いに行けちゃうトコが良い、って。
あと、結構バカ話するし、変態だから、同じ目線で話してくれるトコが良いな、とも付け加えたら、「変態!それならエンジェルさん一択です!」と推薦されてお会いすることになりました。
さっきも言いましたがスタッフ自慢をしたかったですね。それと、僕の果物に対する想い。手元に届いたみかんの保管方法。ちょっとわかりづらいウチの農園までのアクセス方法。協力会社さんや世話になった人、影響を受けた人などへの感謝の気持ち。
カッコいいホームページにはしたくない、というのもあります。隙があるデザインが良い。素人が作ったような粗さがあって。ホームページだとできるのか分からないけど、版ズレとか色ムラとかインクのシミとか、わざとそういうのを残したい、って思ってました。
エンジェルさんにも「え~~~っ!!ホントに良いんですかぁ!?」ってビックリされましたが、Google検索に引っかからないようにして欲しいんです。「みかん 浜松」とかで検索しただけでウチのみかんのことを何も知らない人に食べてもらおうとは思わないから。商品PRもホームページでは徹底的に省きたい。宣伝はイベントなんかに参加して試食を配りまくって自分たちの手足でするのでOK。
だけど、ホームページへ来てくれた人に対しては、誰でも買える、買いやすい、シンプルなECサイトにしたかったですね。入力項目とかもできるだけ少なくて、こういうの使い慣れてないお年寄りでも迷わないような。
引き渡し方法は大きく分けて2通り。通常のECサイトと同じように購入した商品が配送便で届くパターンと、もう一つはウチまで取りに来てもらうパターン。たくさん買ってくれて取りにまで来てくれた方にはサプライズでオマケも付けちゃおうかな、っていう企画です。
それから、サイトでも予告している通りみかんの定期便を計画しています。それぞれの品種で最高の旬の状態を収穫して、2~3日の間にお届けする、人数限定のプランです。
ホームページのオープン前からイベントなどに参加して多くの方に試食してもらいました。その際に、QRコードが印刷してあるカードをお配りしていたので公開直後からご注文をいただけました。
公開から実質2か月程度ですがお陰様でコンスタントにご注文が入っています。北は北海道から南は九州まで、幅広く出荷させていただきました。会員登録してくださった方も50名位いらっしゃいますね。
エンジェルさんも「ホームページは納品された時点が最悪状態なんですよ」って言ってましたが、公開してみて初めて分かる問題って確かにありましたね。
まだまだ認知度も低く、それほどたくさんの注文が入るわけではない今のうちに、とにかくECサイト運営に慣れることと、問題点や改善点をひとつでも多く見つけてそれに対応していきましょう、と話し合っています。
でも、やりたいことが形になって、描いていたこれからのことが実現できる実感がわいています。お陰様でかなりの方向転換の年にすることができました。